この《地上最後の楽園〜ウブドの風に包まれて〜》は、インドネシア・バリ島をイメージし2013年に作曲いたしました。自然と、人間が放つ熱を表現するために「クンプル」や「ラトル」といった民族打楽器を入れてあります。「クンプル」は、中型の吊り下げゴングになります。「ラトル」は、器の外に木の実をつけて鳴らす楽器です。無い場合は「通常のゴング」や「マラカス」等で代用ください。さて、日本とバリ島は、どこか共通した世界観があるように感じます。風景や人情もそうですが、音階もその一つです。バリ島では、ペログ音階「C・D♭・E♭・G・A♭」を用いた伝統的な民族音楽「ガムラン」がございます。このペログ音階を「G・A♭・B♭・D・E♭」に移調した五音音階が、全編に通して出てきます。
冒頭は、歴史ある寺院の様子を、五音同時に演奏することで厳かな雰囲気で幕を開けます。続いてウブドの豊かな自然を、繰り返される旋律で表現しました。すべてがオレンジ色に染まった世界の中、地平線に沈む夕日を、木管とピアノソロのゆったりとした旋律で表現しました。中盤は、人間の手によって壊されて行く自然の様子を、クラリネット・サックスの不協和音と低音の八分音符によって再現しました。半音でぶつかり進行する音が緊張の頂点を向かえると同時に、金管の激しい旋律へとなだれ込みます。終盤は、壊された自然が人間の手によって再生される様子を、主題が形を変えトゥッティで演奏されます。木管のきれいなコラールで時が流れ、パーカッションのみで演奏される安らぎの空間へと進みます。冒頭の旋律が再び現れ、雄大な響きと共にフィナーレを向かえます。
(内藤友樹)
Piccolo
Flute 1, 2
Oboe (option)
Bassoon (option)
Clarinet in E♭ (option)
Clarinet in B♭ 1, 2, 3
Bass Clarinet in B♭
Alto Saxophone in E♭ 1, 2
Tenor Saxophone in B♭
Baritone Saxophone in E♭
Trumpet in B♭ 1, 2
Trumpet in B♭ 3 (option)
Horn in F 1, 2
Trombone 1, 2
Trombone 3 (option)
Euphonium
Tuba
Contrabass (option)
Piano
Timpani, Oceandrum, Suspended Cymbal (option)
Percussion 1:Snare Drum, Ride Cymbal, High-hat, Sleigh Bells, Triangle
Percussion 2:Bass Drum, 2Congas, Wind Chime, Maracas, Gong, Kempul (Gong) ★1
Percussion 3:3Tom-toms, Claves, Guiro, Suspended Cymbal, Vibraphone, Rattle (Maracas) ★2
Percussion 4:Glockenspiel, Crotales (Glockenspiel), Vibraphone, Marimba(option), Sleigh Bells, Suspended Cymbal, Crash Cymbals, Bird Whistle
★1 Kempul (クンプル):ガムランに使用する中型の吊り下げゴング。無い場合は通常のゴング等で代用。
★2 Rattle (ラトル):器の外に木の実をつけて鳴らす楽器。無い場合はマラカス等で代用。
2017年 第58回岡山県吹奏楽コンクール(B部門) / 倉敷市立郷内中学校吹奏楽部
2015年 定期演奏会 / 流山市立南流山中学校吹奏楽部
2015年 第25回定期演奏会 / 聖徳大学附属小学校吹奏楽部
2014年 第56回千葉県吹奏楽コンクール / 千葉県立九十九里高等学校吹奏楽部
2014年 第56回千葉県吹奏楽コンクール / 流山市立南流山中学校吹奏楽部
2014年 第56回千葉県吹奏楽コンクール / 聖徳大学附属小学校吹奏楽部
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