■ 各ソロは複数の楽器で演奏できるよう記譜されています。
この《交響的断章~ソロティンパニとウインドオーケストラのための》は、2017年、SHOBIパフォーマンスバンド委嘱により演奏され、翌、浜松市立開成中学校吹奏楽部委嘱により改訂し、第66回全日本吹奏楽コンクールで演奏されました。
作品は全4幕からなります。ティンパニの緊迫したソロから始まり、サックスやホルンが穏やかに奏でる第1幕。ドラムセットが入り、速いビートのジャズやロックが目まぐるしく展開され、技巧的なパッセージが散りばめられた第2幕。フルートの鋭いソロから派生する金管の美しいコラール。そして螺旋状に重なるフレーズが情熱的で解放されたメロディーを導く第3幕。膨らんだ音が突如無音となり第2幕を再現し、壮大で劇的なフィナーレを向かえる第4幕。全編を通し1つのフレーズが断片的に描かれ、複数の楽器で何度も変奏されます。
特徴としては、「管楽器群」と「独創的なティンパニ・打楽器群」の掛け合いにより進行します。両者が共鳴する場面と、それぞれが異なるバランスやテンポで演奏し、偶発的に生じる間や不協和音を意図的に表現しています。次に、「クラシカルな響き」と「ジャズ・ロックの響き」の対比を描きました。奏法の違いや、転調によるアプローチ等に加え、コードに関して、例えば「Fm7(F・Ab・C・Eb)」の中に、「Gm(G・Bb・D)」を加えると「F・Ab・C・Eb・G・Bb・D」となります。2つのコードを同時に発声させ、幻想的で広がりのある響きを構築しています。また、一部高音楽器は半音で重なるテンションの高い配置や、低音楽器が5度間隔を保つディストーションギター(パワーコード)のバッキングに似た奏法を用いる事で、クラシカルな響きとロックの持つ推進力を綴りました。最後に、特定の風景や事柄を綴った内容ではございませんので、自由に発想し表現いただければ幸いです。
(内藤友樹)
Piccolo (doub. Flute)
Flute 1, 2
Oboe
Bassoon
Clarinet in E♭
Clarinet in B♭ 1, 2, 3
Bass Clarinet in B♭
Alto Saxophone in E♭ 1 (doub. Soprano Saxophone in B♭)
Alto Saxophone in E♭ 2
Tenor Saxophone in B♭
Baritone Saxophone in E♭
Trumpet in B♭ 1, 2, 3
Horn in F 1, 2
Horn in F 3, 4
Trombone 1, 2, 3
Euphonium
Tuba
Contrabass
Piano
■Timpani
■Percussion 1(Drums):
Snare Drum, 3Tom-toms, Bass Drum, HiHats, Ride Cymbal, China Cymbal, Splash Cymbal, Suspended Cymbal, Crash Cymbals,
Wind Chime, Tambourine, Lion’s Roar (option)
■Percussion 2:
Bass Drum, Gong, Shaker, Agogo, Sleigh Bells, Triangle, Maracas (option), Rattle (option), Suspended Cymbal
■Percussion 3:
Glockenspiel, Xylophone, 5Templeblocks, 2Congas, 2Bongos (option), Slide Whistle, Flexatone, Ships Bell, Antique Cymbal,
Suspended Cymbal, Crash Cymbals
■Percussion 4:
Glockenspiel, Vibraphone, Xylophone, Marimba, Chime, Claves, Bird Call, Suspended Cymbal, Crash Cymbals
2019年 第8回定期演奏会 / 浜松市立開成中学校吹奏楽部
2019年 第7回全国中学生交流コンサート / 浜松市立開成中学校吹奏楽部
2018年 第66回全日本吹奏楽コンクール / 浜松市立開成中学校吹奏楽部
2018年 第24回日本管楽合奏コンテスト全国大会 / 浜松市立開成中学校吹奏楽部
2018年 第20回記念アジア・太平洋吹奏楽大会(APBDA) / 浜松市立開成中学校吹奏楽部
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